院長紹介

　脳神経外科医となって40年が過ぎ、その間、病院勤務医、研究者として大学病院、アメリカの二カ所の研究所病院での生活を経験し、開業となって16年5ヶ月。医学は日進月歩であり、日々勉強であることに変わりはありませんが、経験は日々の診療の自信の元であり、ひいては患者さんからの信頼のベースとなっていると考えています。
 

　現在、日々の診療で力を入れているのは、頭痛、めまい、痺れなどの比較的頻度の多い主訴の患者さんの診察と検査と治療。「受診してよかった」と思ってもらえるような診療を心がけています。この症状でまさか？！と思うような、脳腫瘍や脳出血などもMRIで診断して、入院治療や手術治療の行える病院に紹介しています。

 

　頭痛は非常に奥の深い病気、症状、疾患で、中心となるのは「片頭痛」ですが、その診断と対応、特に「予防治療」に力を入れています。予防治療には、内服薬と注射薬があり、後者の注射薬としては、2021年6月から保険適用となったCGRP関連薬、具体的にはエムガルティ、アイモビーグ、アジョビという3種類の皮下注射薬があります。現在、最も長い人では3年3ヶ月の治療実績があり、その片頭痛予防効果は非常に高く、治療適応のある患者さんには積極的にお勧めしたいのですが、保険本人3割負担で12000円ほどかかることが難点ではあります。患者さんと適応及び治療効果とそのコストについて相談しながら治療を進めています。
 

　めまい、痺れも、末梢性、脊髄性、脳由来以外に、慢性疲労症候群、慢性睡眠障害などによる自律神経障害から来るものなども診断し、適切と考えられる投薬をおこなっています。
　脳外科医ですから、頭部打撲などの診察、検査はお手のものです。幼児から高齢の方まで幅広く診ています。

 

　脳卒中、脳血管障害は、超急性期（受診直前に症状が出たばかり）から超慢性期（何年も前に軽く脳卒中になった）の患者さんを、その症状、抱える基礎疾患（高血圧、糖尿病、脂質異常症他）、年齢などを総合的に考慮して診断治療しますが、超急性期から急性期（発症2、3日まで）は、日本海総合病院脳神経外科または脳神経内科への紹介入院治療をおこなっています。この2つの診療科のドクターは、私が代表世話人を務める「庄内脳神経疾患治療研究会」の仲間であり、山形大学の後輩でもあり、電話一本でいつでも診察、必要に応じて入院治療を受けて頂いています。

 

　脳ドックは開業した2008年から初めており、2010年には制度化された「日本脳ドック学会認定施設」として認可された専門施設として、以来多くの方々の脳ドックをおこなってきました。特に、「未破裂脳動脈瘤」という、破裂したらくも膜下出血になる病気を無症状のうちに発見して、症例に応じて、手術、血管内治療、経過観察と適切な対応をおこなっています。

2020年からのコロナ禍においては、PCR検査のための検体を採取する対応施設として、一般内科開業医と同様に患者を受け入れて検査をしました。COVID-19が感染症の五類になってからは、主に疑わしい方に抗原検査の対応しています。また、自治体と医師会からの依頼に対応して、コロナワクチンの接種も数多くやってまいりました。
　2024年の秋からは、例年のインフルエンザワクチン接種に加えて、希望者に対してコロナワクチンの有料接種が始まりますが、現在その準備中であります。

 

　その他、一般内科的な、風邪、インフルエンザ、下痢症状、腹痛、不眠、抑うつ神経症などに対して、医師として40年以上の経験を基に、新たな知識の習得も貪欲に（様々な研究会、講演会、学会に参加）おこなって、日々の診療に役立て、それが受診される患者さんの益となることを考えております。
 

2024（令和6）年8月

院長　黒木　亮